約 220,430 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1456.html
武装神姫…それはテクノロジーが生み出した全く新しいロボットである。 MMSと呼ばれる基本素体にCSCチップを搭載、さらに様々なパーツを使用することで無限の能力を引き出す事ができるのである。 武装神姫と暮らす日常 第二章『べるの登場!?』 次の日… 「……き…な…さい」 (ん…誰だ…?) 気だるそうにしながら卯月は目を開け 「早く起きなさいってばっ!!」 「ぐがッ…」 よとしたところをチーグルアームで頬を思いっきり殴打された。 「………はぁ」 様子を静観していた耿が額を押さえながら溜息をつく。 「うぅ…何が起きたんだ…」 卯月は頬を押さえながら辺りを見回す。 「やっと起きたのね」 丁度胸の辺りにチーグルアームを装備したクラリスが立っていた。 「クラリスー…」 「ん?どうしたの、もしかしてあたしにお礼をいいたいのかな?」 「昨日から武装で人を殴るなっつってるだろうがッ!」 言って卯月はクラリスの頬をひっぱる。 「ふにゃっ…アンヒャこそっ、あひゃしの頬をひっぱらひゃいでっていっひぇるでしょッ!」 本日二度目の右フックが卯月の頬に決まった。 「昨日アレだけ念を押したのに、何で寝坊するのかな…」 「スイマセン…」 卯月達はある場所へと向かっていた。 「しかし、昨日の今日でいきなり実戦をするのか」 「そう言うマスターだって、僕達を起動した日にバトルやらなかったかな」 卯月の一言にすかさず耿が突っ込みを入れる。 「でしょ?なら私もやっても問題ないよね」 「まーそうだが……まぁいいか…この近くだと……雪ノ下かな」 「そうだね」 卯月の言葉に耿が頷く。 「雪ノ下って確か霜月さんが経営してるお店だよね?」 「そそ、あそこも一応神姫バトル用の筐体あるからね」 と言ってるうちに卯月達は雪ノ下の前に着いた。 「いらっしゃいませー」 卯月達が店に入ると柊が挨拶する。 「よっ、柊ーちょっとバトル用の筐体使うぞ」 「はい、どうぞどうぞ」 そう柊が答えるのを待ってから卯月達は筐体のある二階へと向かう。 「おーやってるやってるー」 筐体内では二人の神姫が戦いを行っていた。 『カッツェ、離脱して!』 『は、はいにゃ!』 一方は基本兵装に身を包んだマオチャオ 「マスター…あれって」 「極端というか何と言うか…てかあの装備量はレギュ違反じゃないのか……」 もう一方はミサイルランチャーからガドリングガンまで多種多様な重火器を全身に備えている外骨格を装備したツガルであった。 『ノエル、そんな雑魚神姫なんて早く止めをさしてあげなさい!』 『了解、マスター』 言ってノエルはカッツェに向けてミサイルによる弾幕を張る。 『にゃ?にゃにゃにゃにゃ!?』 カッツェは爆風を防ぐように防壁を構えつつその場で蹲る。 『カッツェ、足を止めちゃダメッ!』 『もう、遅いですよ』 ノエルは滑空砲をカッツェに向かって放つ。 カンッと言う軽い音と共にカッツェはアーマーの破片を撒き散らせながら吹き飛んでゆき、地面を二転三転したところで動きを止める。 『ネコガタカッツェ…コアシステムキノウテイシヲカクニン……Winner Beruno』 「マスター、勝ちましたよ」 言いながらノエルは筐体から出てくる。 「私の神姫なのですから当然のことでしょう?」 「はい、マスター」 ノエルは自らのマスターの肩へと座る。 「私に勝てるような人はここにはいないでしょうしね」 挑戦的な笑みを浮かべながらノエルのマスターは言う。 「むーなんか見ていて腹立つな~」 その様子を見てクラリスは言う。 「だなぁ…よし、ここは俺とアキで」 「私が華麗に初勝利飾ってみせましょ!」 言いながらゆかりは卯月を遮る様に前に出る。 「あらあら、初めてのバトルでこの私に挑もうなんて無謀すぎることですわよ?」 そのゆかりの姿を見てノエルのマスターは嘲笑うかのように言う。 「無謀かどうかなんてやってみなくちゃわからないじゃない!」 睨む様にしてゆかりが言い返す。 「ふん、まぁいいでしょう…行きますわよ、ノエル」 「はい、マスター」 言ってノエルは筐体の中へと入る。 「こっちも行くよ、クラリス」 「うん!」 笑顔で答え、クラリスは筐体へと入ってゆく。 「頑張ってくださいね、応援してますよ」 ゆかりの肩に乗りながらアリエスは言う。 「……俺の出番は?」 「どんまいなのにゃ」 卯月の頭に乗っかりながらラキは言う。 『サンタ型ノエル オーナー:美月べるの ランク:C 悪魔型クラリス オーナー:鴻乃ゆかり ランク:C バトルフィールド:工場跡 .........配置完了』 「やめるなら今のうちですことよ」 「その言葉そのままそっちに返すよ」 『READY』 「実戦経験も無し…装備も初期装備…それでは私には勝てませんよ?」 「そんな減らず口すぐにたたけなくしてあげるよ!」 『FIGHT』 ―次回予告― 「悪の秘密結社べるの団の卑怯な罠に瀕死の重症を負うアリエス!」 「え、何で私が重症負うんですか?」 「その仇を討つため単身べるの団本拠地に乗り込むクラリス!」 「えっ?えっ?」 「果たしてクラリスはべるのの罠の数々を突破できるのか!そして囚われの身となったゆかりの運命や如何にっ!?」 「何でマスターが囚われてるんですかっ!!」 「次回マジカルトラッパークラ☆リス第三幕『べるの団アジト火で染めて』」 「嘘ですよ!信じちゃダメですからね!」 「クラリスのトラップが起動するときまた神姫が吹き飛ぶ…」 「何しんみりした言い方してるんですかーッ!!」 続く 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2614.html
番外その二 「食人姫 (しょくじんき)」 それは、ある日の朝方のことでございました。 まだ朝日の差し込みきらない、ビルディングの薄暗い谷間を、小さな人影がひらり、ひらりと飛んでゆくのが見えます。やや、あれは恐らく、ちまたを賑わせている『武装神姫』というものに相違ありません。 この武装神姫とは、見た目には女の子の姿をした人形と変わりがありませんが、自由自在に動き、人と同じ千差万別の個性、心をもつことから、人々に親しまれているのです。ちなみに彼女が好むのは、人目につかない暗がりから、人間というものを気の向くままに観察することでした。ですから今朝もこうして、道行く人が空き缶を蹴飛ばす姿や、時計を覗き足早で立ち去る姿を、ベランダの手すりから足をぶらぶらさせて、じっと見物していたのでございます。 と、彼女の目が、階下にあります公園のベンチに座る男をとらえました。男はなにやら所在ない様子ですが、どうしたというのでしょう。 彼女はしばらく、マンションのベランダの手すりに座ってそれを見つめていましたが、やがて背を向けると、いつの間にやらどこかへ飛び去ってゆきました。 ※※※ さて、所変わって夕方の公園でございます。 男は朝と同じように、ベンチに座ってうなだれておりました。垂れ下がった手に握られた茶封筒には、いくらかの千円札が入っています。ははあなるほど、彼は身銭を稼いでいたんでございますね。 ええ、この男はまだこの町に出てきたばかりで、日々の暮らしになんとか困らぬよう、アルバイトで生計を立てておりました。ただ、こと金を稼ぐとなると世の中なかなか上手く行かないものですから、一度にそれほどの稼ぎは得られません。今日はコンビニ、明日は居酒屋と、あちらこちらを渡り歩いていたのです。 そんな男には、一つ目標がありました。例の、武装神姫のオーナーとなり、そしていずれは『バトルロンド』にて全国に名を連ねるほどの実力者になることです。オーナーとは、文字通り武装神姫の持ち主のことでして、しかしこの武装神姫、しっかりしたものを揃えるのには意外と費用がかかるのでございます。中古となれば手は届きもしましょうが、しかしゆくゆくは全国ですから妥協をするつもりは、当初男にはありませんでした。そんなわけで、彼はただただその夢を大事に守りながら、日々の仕事を乗り越えていたのです。 しかし夢が叶わないというのは、なかなかどうして心に良くない風を吹かすものです。男はいくらも良くならない、また武装神姫が買えるようにもならない今の生活にほとほと疲れ果てておりました。 夕日が、だんだんと山の端に消えてゆきます。 男は短く息を吐いて、己の手に握られた茶封筒を見つめておりました。ああ、いつになれば俺の暮らしは良くなるのだと、男は考えました。まだ、彼を産み育てた母親への仕送りも残っているのです。 その、丁度夕日がマンションの影に隠れた時でございます。 何気なく地面を見つめていた男は、前方からコトリと、音がしたのに気がつきました。目を上げてみれば、それ、男が座っているベンチの正面、手の触れそうな距離に、銀の箱が置かれているではありませんか。 男は目を疑いました。何故って、どこからどう見ても重たそうです。風に吹かれてきたとも到底思えません。男はそこで初めて、ブランコの後ろの木陰から、二つの目玉が自分を見つめておるのに気付いたのです。 男はうろたえました。そうでしょう、訳の分からぬ怪しげなものに見つめられているとなれば、ごく自然な反応です。蛙や鼠の類いだって同じでしょう。 目玉、――いや実際には目玉と形容してもよいものか、なぜならそれは薄暗い木陰に守られて、男には電球が二つ暗がりの中で輝いているようにしか見えず、ついに正体をつかむことはかなわなかったのです――は、男に向かって言いました。 曰く、武装神姫は欲しくないか、と。 男は今度は己の耳を疑いました。男は、自分が武装神姫を欲しいと思っていることを、ごく親しい人間にしか知らせていなかったからです。突然現れたこの得体の知れないものが、何故それを知っているというのでしょう。 目玉は、男の心中を察したのか、こう続けました。 心配しなくていい。これは君への贈り物で、私は君の手助けをしたいと思ってやって来た。そのケースの中にいい神姫が入っているから、開けて持って行くといい。平気だ、新品と変わらない。 男は、ただもうこの怪異に恐ろしいのと驚いたのとで、この場から逃げだそうかと思いましたが、しかし同時に男は、何故かは分かりませんがこの箱を開けて見たい衝動にもかられました。恐い物見たさとでも言いましょうか。箱はふたがずれていて、軽く手が触れれば開いてしまいそうです。あと少しで中身が見えるか、見えないかです。 何より、これがもう少しでも離れた場所に置かれていたならばあきらめもついたでしょうが、男には己の手の届く場所にある箱を調べもせずにこの場を立ち去ることが、ついに出来なかったのでございます。 男は、恐る恐る箱に手を触れました。 始め、覗いたのは黒い布でした。続いて黒い手足と、夕日を受け白く光る髪が現れ、男は目を見張りました。確かに、彼の求めていた武装神姫に違いありません。目玉は、男が安堵したのを見て、低い笑い声を漏らして揺れました。 何度も男が武装神姫を、角度を変えて眺める度に、それは日光を照り返して美しく輝くのです。手に取ったものが、あまりにも素晴らしかったために、男は恐ろしいのも忘れて目玉に礼を言いました。茶封筒の中身を差しだそうとさえしましたが、目玉はまた低い声を漏らしながら、それは結構だと言いました。そうして、一つだけ言っておくが、君はそれをいつまでも大事にしてくれるかなと問いました。男は、もちろんだと頷いて、再び礼を言いました。 目玉はまたくつくつと揺れると、木陰の闇の中へ溶けてゆきました。 男は、自分は夢でも見ているのかと思い、何度も目をこすりましたが、彼の手の中にまだ神姫はあったのです。 ※※※ さて、男は自分の家に帰ってから、すぐにもう一度箱を調べました。 全く、見れば見るほど素晴らしい神姫です。黒い体はうるしを塗ったように輝いており、そこから少女らしい白い太ももや胸元が覗く様は艶めかしくもあります。コンピュータによって調べたところによると、この神姫は戦闘機をモチーフにしているようで、なるほど付属の鎧と思わしきものにもプロペラや機銃が付いております。 男は早速この神姫を起こそうとしました。クレイドルなるものを使って充電をすることはとうに調べてありましたから、箱に同封されたクレイドルをコンピュータにつなぎ、この神姫を寝かせました。 夜もふけた頃になってから、男が再び確認すると、神姫は充電が済んだようで起き上がっていました。話しかけてみましたが、反応は返ってきません。おかしい、俺をオーナーだと認めているはずだがと男は考えましたが、次の日は早朝からアルバイトが控えていたために、これ以上は詮索せず、男はさっさと床につきました。 ※※※ 翌々日には、男は近所のゲームセンターへと出かけました。 ゲームセンターには、『バトルロンド』の試合を行うための設備があり、男は自分の神姫の実力を試そうと思ったのです。登録のためのカードを、少し時間がかかりましたが作り、まずは練習として、人間ではなくコンピュータの命令する神姫と戦わせました。 相変わらず神姫は表だった反応を返しませんでしたが、試合を行うとなると話は別でした。能面のような表情の裏に確かな意思を宿し、男が命じるまでもなく、試合に向かってゆくのです。そうして、圧倒的な実力で、相手をなぎ倒しました。 黒い翼をきらめかせ、桃色の剣が一閃する度に、のっぺらぼうの人型人形がばったばったと切り伏せられてゆく様子は、男にこれまでにない爽快感をもたらしたのです。 コンピュータとの戦いを数試合、そして人の命令する神姫との試合をさらに数試合して、男は帰りました。その日の成績は全勝でした。 男は顔中に笑みをたたえて帰って行きました。ましたが、彼から少し離れたところで、他の客があつまってひそひそと話をしているのには気がつきませんでした。 一週間の後に、男はそのゲームセンターの番付に載るようになりました。もとより小さなゲームセンターであったことも一つの理由でしょうが、しかし男の神姫の実力は際だっていました。いったい、なぜこんないいものをただでくれてやったのだと、男は内心目玉に向かって言いました。 その二日後には、男は大会に出ようと考えました。 近所のゲームセンターではなく、駅前の大きな場所です。もういつものような試合では男は満足出来なくなっていましたから、少し遠出をして力試しをしようと企んだのです。もう男はすっかりバトルロンドと、自分の神姫の強さの虜になっていました。相も変わらず、神姫が自分の言葉に人間らしく答えを返してくれないのが、もどかしくもありましたが。 ※※※ さて肝心のその大会でございますが、駅前の大会といっても、男が期待していたような規模ではありませんでした。人数も実力も、男が頂上を争うにはあまりにぬるすぎるように感じられたのです。男は、口には一切出しませんでしたが、この分では午後は暇になりそうだと考え、他の参加者が神姫に指示を出す様をあくびをかみ殺して見ていたのでございます。 そういうわけでしたから、男は難なく準決勝まで進出しました。 さて、今度の男の相手は見目麗しい女の子でした。二十か二十一に上がったか上がらないかくらいの年齢に見え、付き添いらしい女友達と二人連れで参加しているようです。試合の準備をしている間、彼女らの話し声は男の方まで聞こえてきました。 「……ねえシューちゃん。うち、ほんまに参加しても良かったんかなぁ」 「なにゆーてんねん。アンタただでさえバトルせーへんのやし、こういう時くらいパーっと結果出して見せつけてやらなあかんて」 男は内心彼女らを憎たらしく思いました。はん、見るからにいいとこのお嬢さんだ。馬鹿にしていやがる。お前らのような奴らだったら、わざわざこんな場所に出てこなくてもいいだろうに、さっさと俺に勝ちを譲らないか。 こんな調子でしたから、それが顔にも表れてしまったのでございましょう。相手の女の子は、男がいつのまにか自分を見ているのにうろたえましたが、それでも小さな声で挨拶をいたしました。 「あの、どうぞよろしゅう」 と、両手を着物の裾で揃えておじぎをしたその仕草は、傍目には非常に可愛らしく映りましたが、男にはそれがまた小憎らしく思えてなりませんでした。しかし、相手の神姫が今にも斬りかかりそうな剣幕でこちらを睨んでおりましたので、面倒が起こってはいかんと男は視線を逸らしました。 さあ両者互いに神姫を戦いの場に送り出し、さてさて一体どうなることか。 相手方の神姫は、男の神姫と対面して、いくらか驚いたようすで目をしばたたかせました。が、審判の合図と共に、半歩下がって距離を取りました。 男はこの試合、今までと同じようにあっけなく決着がつくものと思っていました。しかし、それはものの見事に外れてしまったのでございます。 まず始めに仕掛けたのは男の神姫ですが、相手はひらりひらりと身をかわし、まるで触れさせてくれる気配がありません。こちらが剣を突き出したかと思えば、体を右へ左へひねり、およそ敵を打ちのめせるとは思えない横笛で、男の神姫の足を軽く払うのです。おまけに背負った三味線は、つま弾く度に弦を伸ばし、男の神姫を絡め取ろうとするではありませんか。試合は膠着し、男はだんだん焦りを覚え始めました。 相手の神姫は、男の神姫と同じ、能面のような表情でしたが、時折なにを思ったのか、首をかしげたり眉をひそめたりといった動作を端々に挟むのでした。しかし男はただもうこの試合に勝つことだけを頭に置いておりましたから、そんなものは目に入りやしません。ええ、それで男は、対戦相手や観客までもが男の神姫を見て、不審そうに首をかしげているのに気がつかなかったのでございます。 対戦相手の女の子は始め、口をもごもごと動かすだけでしたが、男の神姫が剣を閃かせ、彼女の神姫がそれを三味線の弦で絡め取った瞬間、とうとう意を決したように言ったのです。 「……コウメちゃんやろ?」 男は思わず目を上げて彼女を見ました。 「ねえ、あなた、サオトメくんのコウメちゃんやろ?」 男は始め、ただぽかんと大口をあけて見ていましたが、彼女が自分の神姫に向かって話しかけていると、しばらくしてから分かったのです。 「え? ……ああっ、ホンマや! コウメちゃんやんか! ……ちょっとお兄さん、その子どこで手に入れたん? ドロボーかアンタ!」 泥棒。付き添いの女の子の言葉に、男はもう驚くばかりです。一体こいつは俺に向かってなにを言っているのだと思いましたが、なんとその場にいた観客までもが、彼女の言葉にああっと納得した様子でいるではございませんか。 「そうや、どっかで見たことあるなぁと思うたらコウメちゃんや。……その子な、ウチらの知り合いの神姫やねん。一年ぐらい前から行方不明になっとったんやけど、はは~ん。アンタが持っとったんかこのヘンタイドロボーが!」 「ちょっとシューちゃん、言い過ぎやわ」 「でも見てみい! コウメちゃん前はホンマに気立てが良くてようしゃべる子やったで。こいつがなんやいじっておかしくしたんとちゃうか!?」 「シューちゃんたら。……あの、だいじおへんかったら、お話聞かせてもらえませんやろか?この試合、無効にしてもろうてもええですから」 相手の女の子は優しくしずしずとそう言いましたが、どうやら観客の誰かがこの店の店員を呼んだようです。男の腕が掴まれました。 男は気が動転してしまいました。あの目玉にしてやられたとも思いました。どうやら彼女らの話を総合すると、この神姫は盗まれたものだったらしいのです。しかもこの場の反応から察するに、相当に名の知れた神姫だったに違いありません。これは大変でございます。他人の神姫を勝手に自分のものにしたあげく、それを使ってしまったのですから。 神姫同士は互いに一歩も譲りません。男は大慌てです。ただあの時公園のベンチにたまたま座っていたばっかりに、男は泥棒の罪を着せられなければならないのです。そんなことになってはたまりません。ですから、男は声を限りに叫びました。 「ち、違う! こいつはもらったんだ、あいつ、に――――」 その時でした。 これまでなんの反応も示してこなかったはずの男の神姫の表情が、まるで氷が溶けるように変わったではありませんか。 対峙していた女の子の神姫は、はっと目を広げ、男の神姫を見ました。男の神姫は、はじめここがどこだかといったふうに呆けた表情をしておりましたが、やがてその顔にありありと恐怖の色が浮かんだのです。 「ぼ、ぼたっ、た、たすけっ――――!!」 神姫は、男の声もかすむほどに、声高く叫びました。途端に、がくがくと前後に体を震わせ始めたではありませんか。 女の子の神姫は、突然なにかを察知したように三味線の弦を千切り、背後にいる自分の主人を振り返り、キッと鋭く言いました。 「主ッ! お下がり下さい!」 その瞬間でございました。 男の神姫が入った装置の中から、だいだい色の炎が、息をつく間もなくごうっと吹き上がったではありませんか。ですから、手前にいた男はたまりませんでした。顔中に焼け付くような痛みと、人々の悲鳴、機械の破片をあっと言う間もなく受け、炎の舌に飲まれたようにそのまま意識を手放してしまったのでございます。 ※※※ 太陽が、さんさんと町を照らしております。 丁度お昼の休憩にするには良い時間でありましょうが、ここから見えます病院の敷地に、一台の救急車が、息せき切って入ってくるのがみえます。 あ、今救急隊員が担架を降ろしたようでございますが、乗っているのはあの男です。目にも指にも、ミイラのように痛々しく包帯が巻いてあります。あの様子では、今後使い物になるかどうかも分かったものではありません。 一体どうしてあのような奇怪な事件が起こったのか、全く不思議でなりません。男があの箱を開けさえしなければ、いや、ベンチに座ってさえいなければ、このようなことにはならなかったのかもしれませんが、それももはや機械が破裂してしまった今となっては、調べようもないことでございます。 ……さて、男の様子を、敷地の隣に生えた木の上から観察しているものがありました。例の、ベランダにいた神姫でございます。 彼女は、男が運ばれてゆく一部始終をじっと見物しておりましたが、やがて男が病院のガラス戸の後ろに消えてしまうのを確認すると、くつくつと低い声を上げて笑いました。どうしたのでしょう。これはあくまでもただの推論でございますが、いつまでも大事にすると言ったはずの男が、我が身かわいさにあっけなく神姫を手放そうとしたことが、おかしく感ぜられたのかもしれません。しかし、それも詳しくは調べるべくもないことでございます。 そうして、いつの間にやら彼女の姿は、洛中を千年もの間吹き渡るこの風に乗って、全くかき消えるように、どこへともなくいなくなってしまったのでございます。 武装食堂へ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/10.html
兎型MMSヴァッフェヴァニー、固有名『フォートレス・ブラッドヘッド』。 ストラーフ型のレッグパーツ四基、アーンヴァル型の飛行ユニット四基を基盤として組み上げられた、超重量・高機動型の高位ランカーMMSである。 彼女の進む前に敵はなく、彼女の跡にはただ破壊された神姫の亡骸が残されるのみという、非情の破壊姫。 だが、噂によると……彼女の強さには誰にも知られてはいけない秘密があるとまことしやかに囁かれている。 すなわち、 『違法改造』。 武装神姫バトルサービスにおけるレギュレーション違反。 軍事兵器の技術流用。彼女のオーナーは軍と提携し、武装神姫バトルサービスという舞台を『新兵器の実験場』として使っている。 ――――あくまでも、噂である。証拠を掴んだ者はいない。 否。 証拠を掴み、生きて帰ったものはいない――――そう、噂されている。 あくまでも、噂に過ぎない。証拠がない以上、それはただの風評にすぎず…… そして、 この世界は、力が全てである。 ――故に。 ブラッドバニーを止める者は、未だ存在しない。 存在するとすれば、まだ対戦していない高位ランカーたち、そしてあるいは―――― 神姫狩人 第一話 狩人、明日香 「あなた、強いんですよね?」 天に輝く月が、街頭よりも明るくアスファルトを照らす夜。 その少女は、闇のように黒いマントを羽織り、彼の前に現れた。 「……なんだ、お前は」 男は、目の前の少女を注意深く観察する。 フードのついた黒いマントの下には、小柄な体。だがその顔を隠したフードの下から見える不適な口元は、倣岸不遜な自信の表れだろうか。 ――――無知にも程がある。 男は、内心嘲笑する。 「質問を質問で返すように教わったのですか? これだから力だけの低脳は困りますね」 少女は挑発する。 「…マスター、油断はなさらぬように。MMSの反応を感じます」 ブラッドバニーの素体が、男に話しかける。 多脚と首だけという、異質な神姫。その言葉に、男は答える。 「油断する気は毛頭ない。もっとも――どれほど油断しようが、貴様に敗北は」 「ありません、マスター」 男は、手に持っていたケースを地面に落とす。 ケースが開かれ、収納されていたパーツが組み合わさり、ブラッドバニーの素体が収納される。 超重量を支える巨大な足。 鋭い爪を持つ四本のアーム。それぞれに砲塔が備え付けられている。 胴体部分にはプロペラントタンクとウイング。 全身これ武器、と言った姿はまさに巨大な要塞であった。 それを見て、少女は笑う。 無敵の神姫要塞を目の当たりにしてなお、彼女の自信は崩れない。 「ゴテゴテすればいいってもんじゃないですけどねー。 そんなんじゃせっかくの神姫の美しさが台無し。機能美って言葉知ってます?」 そう笑いながら、マントを翻し、フードを取る。 そこに現れた顔は、黒髪の15歳ほどの少女だった。瞳だけが青く、そして挑戦的に輝いている。 「用意はいいわね? あんなデカブツ、とっととやっちゃいなさい」 少女が凛とした声で言う。マントがばさりとおおきくはためき、その中から一体の武装神姫が飛び出した。 四枚の、鳥のような翼。デフォルトの宇宙船を模した翼とは違う有機的なフォルム。 ――――それは、まさしく天使。 天使型MMS、アーンヴァル。固体名称―――― 「――マルコ! マルコ・ソロネス!!」 「了解、マイマスター、明日香=ヴァレンシア」 天使が羽ばたく。 黒い鉄の要塞へ向かい、飛翔する。 非公式試合、開始。 兎型MMS『フォートレス・ブラッドバニー』 VS 天使型MMS『マルコ・ソロネス』 このバトルは非公式試合である。 そのため、戦闘結果によるポイントの付加・ランキングの変動は行われない。 そう、非公式バトル。 公式での華やかな戦いの裏では、様々な非公式バトルが存在する。 この、マルコとブラッドバニーの戦いもまた、公式には残されない非公式のものである。 非公式バトルにかけるものは、それぞれだ。 ブラッドバニーとそのマスターのように、公式戦より強力な力の行使、破壊願望を求めて獲物を探すものもいる。 ならば、明日香とマルコの目的は何か。 だがその疑問など、男にとってはどうでもいいことだ。 もとよりただの獲物、彼にとっては狩られるだけの哀れで無力な存在である。 「行動パターン、予測完了」 ブラッドバニーのカメラがマルコを捕らえる。 数発の弾頭による攻撃。その攻撃をことごとくかわすマルコだったが、それは回避パターンを計算するための捨石。 ブラッドバニーの基本戦術は、まず相手を知る事である。 動きからデータを逆算しスペックを解析する。 そして相手の行動の限界値を導き出し、それを上回る破壊力で砕く。 それを成すだけのコンピュータを積み、それを成すだけの武装を搭載する。 そしてそこに油断はない。故に無敗、故に無敵。 「…っ! ええい、なんて弾幕だ」 マルコが追尾弾を避けながら舌打ちする。 スピードならこちらのほうが上のはず。だが、それはあくまでも本体同士の話。 データ取りのための捨石とはいえ、幾重にも射出される追尾弾と砲弾による弾幕は、マルコがブラッドバニー本体へと接敵することを防いでいる。 「防がれるなら――――」 マルコはビームソードを構え、翼を広げる。 「弾幕ごと貫くのみ!」 疾速。 幾重にも広がる弾幕にマルコは頭から突っ込み、両手の剣を振るう。 追尾してくる爆撃は高速起動により撹乱し同士討ちさせる。 目前に広がる砲弾は―――― 「ボクの剣で切り裂くのみだ!!」 一閃、二閃、そして幾閃。 光の華が咲く。 爆発、切り裂かれた弾丸が一瞬おいて破砕していく。 「そこですマルコっ!」 「路は――開けたっ!」 弾幕を抜ける。そこには無防備になった本体が―――― 「甘いな」 「予測範囲内です」 男が笑う。ブラッドバニーが冷静に告げる。 「何っ!?」 そう、それはすでに計算された勝利への解法。弾幕に閉ざされた路を切り開くため、危険を冒して突っ込んでくる事。 そしてその弾幕を抜けることも計算されていた。 勝利を確信した、その一瞬の隙を。 アームがうなり、マルコの脚部スラスターアーマーを掴む。 「ぐっ…! なんてパワーだっ!?」 規格を容易に超える出力を持つブラッドバニーのアームである。それに捉えられて脱出できた神姫はいない。 「終わりだ。なんともまあ、あっけないものだったが――」 一際巨大な主砲が動き、マルコの頭に狙いをつける。 「終わりですね」 エネルギーが充填される。 その主砲が光を放てば、マルコの頭――いや上半身は跡形もなく粉砕されるだろう。 そう、もとより力が違った。 格が違った。 勝てるはずなど、なかったのだ。 砲口に光が満ち、吐き出される。 それは、マルコの体を灼き―――― 彼女を破壊した、 はずだった。 「何――――!?」 ボルトがパージされ、マルコの脚と脚部スラスターが分離される。 「バカな!?」 有り得ない。アーンヴァル型の脚部スラスターは、完全な差し替えによる接続である。 だが目の前のアーンヴァルは――スラスター装甲の中から素体のままの脚線美を現していた。 ――――囮。 「そう、罠にかかったのはあなたです。 スラスターなんて飾りです、バカな人にはわからんとですよ、ってね」 「ブラッドバニーが掴むことを予測していたというのか――!」 そう。まさしくその通り。 そのままマルコは囮であるスラスターをアームの掌に残したまま、翼を広げて飛ぶ。 「ちなみに言うと、私はあのスラスター好きじゃないんですよね。やっぱり脚線美は大切ですよ」 心底どうでもいい。 「その主砲、一度撃てばエネルギーの再充填に時間がかかる――ならば今こそ好機!」 「くそ――再計算開始、行動補足――」 「遅い!」 ビームソードが閃く。マルコを再び捕らえようとした四本のアームは、そのことごとくが灼き斬られた。 「早い!?」 「邪魔なものがなくなったんでね! 今のボクをさっきまでと同じにするな!」 旋廻し、マルコは飛ぶ。そして、ビームソードに全エネルギーを流し込む。 柄から迸る光の刃が渦を巻く。 「光の氷柱!」 シャイニング・アイシクル。 螺旋状に輝き、天より直下に貫くその光の渦は、まるで光を受けて輝く「つらら」の如し。 「な――――」 その輝きを受け、ブラッドバニーのゴーグルが割れる。 ――初めて。 ブラッドバニーは、今までは獲物に過ぎなかった武装神姫を、 美しいと感じた。 「悪いですが、勝たせてもらいますね、この……神姫ハンター、明日香と、マルコが!」 ハンター。 狩人? 今、確かにそう言ったか。 ああ、そうか。獲物なのは、はたしてどちらだったのか。 考えるまでもない。 敗者である自分こそが、獲物に過ぎなかったということだ―――― そして、ブラッドバニーの意識は灼き切れた。 勝者、天使型MMS『マルコ・ソロネス』。 このバトルは非公式試合である。 そのため、戦闘結果によるポイントの付加・ランキングの変動は行われない。 賭け試合のため、勝者には―――― 相手の武装神姫が与えられる。 追記:以降、兎型MMS『フォートレス・ブラッドバニー』は公式戦より登録を抹消される。詳細は不明。 「はい、報酬」 「ありがと! ひーふーみー、うん確かに」 明日香が幸せそうに渡された紙幣を数える。 「明日香。いつも思うんだが、何故ポイントにしないんだ? 変換に手数料はかからないしそっちの方が楽だと思うんだが」 明日香の肩でマルコが問う。 「バカね、現金のほうが、なんか儲けたー、ってカンジがするじゃない!」 「アナログだね、明日香は」 「まったくだ」 つられて、窓口で親父が笑う。 「俺も同感だ。紙幣や硬貨の方が風情があっていいやね」 「さっすが、おじさん話がわかりますねっ。 あ、そういえばあのコはどうなりました?」 「ああ、あの違法改造の兎か。 神姫に罪はないからな、記憶データを消して規格適応に改造した後に中古品として市場に出るってさ」 「そうか、殺されるわけじゃないんだな、よかった」 マルコが胸をなでおろす。 戦った相手とはいえ、処分されると聞くことはつらい。死なないですむのならそれが一番だ。 「そりゃそうでしょ。そのためにAIを破壊せずに倒す、あんたの技なんだから。 今まで私たちが回収した違法神姫の中で機能停止したコはゼロ、どうですこの偉業!」 「ああ、たいしたもんだよお前さんたちは。ついでにその強欲ぶりもたいしたもんだが」 「…またか、明日香」 「さて、何のことですか?」 そっぽを向く明日香。 彼女たちの仕事は、武装神姫バトルサービスの本部より依頼される、違法MMSの摘発である。 そしてそれは、その違法改造された、あるいは違法行為を行ったMMSの「本体」の回収だ。 「…ガメたな。ああ、確かに実際に戦った彼女のデータと、提出した武装に違いが…」 「いいでしょ、危険手当よ。やることはやったんだからいいんですっ」 「……まったく。なんでこうキミは強欲なんだか……」 「強欲じゃありませんよーだ」 ギャアギャアとケンカをはじめる二人を、親父は制止する。 「はいはいそこまで。それよりもだ、お前さんたちにまたやって欲しい仕事があるんだがな」 「えー? さっき仕事終わらせたばかりなのにー。労働基準法さんせー、働きすぎはよくないですー」 明日香が愚痴る。 「簡単な仕事だよ。報酬に色つけるから」 「労働は尊いものです! 清く正しく働きましょうっ!!」 「明日香……なんて判りやすいんだ、キミは……」 今度はマルコが頭を抱える番だった。 「いいんです。さて、神姫ハンター、出動ですよっ!!」 親父から依頼の詳細データを受け取り、明日香はマントを翻す。 武装神姫バトルサービス。 輝かしい舞台の裏では、常に様々な問題を抱えるのはいつの時代でも同じこと。 光あるところに、闇がある。 このお話は、そんな闇とか光とかなんてそんなことはどーでもいいとばかりに、ひたすら突っ走る少女と神姫のそんなお話。 「さあ、れっつごー!」 「明日香、その前にちょっとはボクを休ませてくれよーっ」 「終わったら存分に休ませてあげますからっ!」
https://w.atwiki.jp/v-sw/pages/462.html
霊樹の種蒔き ①時期 Phase01以降 ②場所 世界各地 ③条件 各地のカオスゲートを一定数封印すると大カオスゲートを出現させて封印する。 Phase12以降,再度各地のカオスゲートを封印することができる。 ④結果 そのフィールドから敵が消滅 育った霊樹から文字のソウルピースを入手できる 霊樹ワープが可能になる ⑤霊樹一覧(Phase1~10) 場所 入手ソウルピース 丘陵地帯 ソウルピース「剣」 山岳地帯 ソウルピース「剣」 リュミエール街道 ソウルピース「光」 高原地帯 ソウルピース「光」 廃墟郡 ソウルピース「者」 回廊地帯 ソウルピース「者」 南部街道 ソウルピース「勇」 密林地帯 ソウルピース「水」 湖沼地帯 ソウルピース「水」 湿地帯 ソウルピース「団」 平原地帯 ソウルピース「団」 ゴナ砂漠 ソウルピース「氷」 ⑥霊樹一覧(Phase11~14) 場所 入手ソウルピース 丘陵地帯 ソウルピース「輝」 山岳地帯 ソウルピース「輝」 リュミエール街道 ソウルピース「風」 高原地帯 ソウルピース「風」 廃墟郡 ソウルピース「王」 回廊地帯 ソウルピース「王」 南部街道 ソウルピース「覇」 密林地帯 ソウルピース「天」 湖沼地帯 ソウルピース「天」 湿地帯 ソウルピース「金」 平原地帯 ソウルピース「金」 ゴナ砂漠 ソウルピース「神」 森林地帯 ソウルピース「騎」 ソウルピース収集 ①時期 いつでも ②会話 光風館1F(前半),ドレイク本陣1F(後半)にいるホウメイ ③条件 ホウメイと会話でソウルマトリクスを選択しソウルピースが一定種類を超える ④報酬 30種類 魂のメダル 120種類 魂のブレスレット 全種類 仙女の秘伝書 宝探し ①時期 Phase07でロウエンが仲間に加入後 ②場所 世界各地で宝箱がある場所 ③条件 ロウエンを連れてフィールドにある宝箱を調べる ④宝箱の場所一覧 Phase07以降 宝箱 場所 柔道着 南部街道(右下) 海賊刀 密林地帯(霊樹から左にある隠し通路先) 鉄甲鈎 湿地帯(霊樹から左上) Phase08以降 宝箱 場所 羽帽子 丘陵地帯(中央の細い通路先) ムシャカブト 山岳地帯(南の木の間の隠し通路先) フレイムソード リュミエール街道(霊樹から左上) Phase10以降 宝箱 場所 猫耳カバー ゴナ砂漠(右上の細い通路先) Phase11以降 宝箱 場所 照準器 森林地帯(右下) Phase13 宝箱 場所 聖騎士の鎧 廃墟郡(右から戦車の上を渡った先) ⑤条件付き宝箱 Phase14 宝箱 場所 妖刀ムラマサ オラフ砦 ※入手条件1 Phase14でロウエンとの告白イベントを発生させる →「戦闘 ロウエンの宝探し」が発生 ※入手条件2 Phase14でロウエンの告白イベントを発生条件を満たす ロウエン以外のキャラと告白イベントを発生させる オラフ砦に向かい宝箱を開ける ゼロ降臨 ①時期 Phase12でラゴウの村でゼロと会話後 ②場所 枯れていない霊樹 ③条件 ソウルピース「涙」を3個以上所持して霊樹を調べると「???の心に触れる」の選択肢が出現するので選択して3番目の心の扉まで開放する。 ④ソウルピース「涙」の入手方法 Phase 場所 Phase07 天水の塔の巫女の制御場 Phase08 コオウカンの処刑場の磔台 Phase09 ドレイク城の霊樹の下付近 Phase10 天照の塔の巫女の制御場 Phase12 海竜王の遺跡表層にあるリュウナのカプセル付近(カイエン島から上陸) Phase12 サブイベント「クレハへの想い」 Phase12 サブイベント「仲間のしるし」 Phase12 サブイベント「氷の祝福」 Phase12 サブイベント「大活躍」 Phase12~14 レアカオスゲート(ドロップ率は低いが何個でも入手可能) ⑤結果 ゼロが仲間に加入 海竜王の遺跡 ①時期 Phase12開始後 ②場所 海竜王の遺跡 ③条件 40階に入り,海竜王とのイベントが発生した後の戦闘に勝つ ④40階のボス ダークドラゴンとホワイトドラゴン ⑤報酬 ソウルピース「妖」「精」「王」 SHINING WIND Topページへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/61.html
ある休日の朝、俺は部屋で好きな音楽を聴きながら 新聞を読んでいた。すると、こんな記事が目に飛び込んだ。 「武装神姫違法改造グループ逮捕」 ○月○日、警視庁は東京都ネオ歌舞伎町の雑居ビル内で、 武装神姫の素体を違法改造していたグループを検挙し、グループの リーダーである○○××(35)他6名を逮捕した。 ○○らは、武装神姫のボディ、AIなどに不正な改造を施し、 通常では育成不可能な『愛玩用素体』としてネット上で販売、 数千万円の利益を得ていた疑い。 警視庁では、こういった不正改造に対し、徹底的に取り締まる方針を 発表した。 俺「ふーん…"愛玩用"…ね。」 ふと目をやると、俺と一緒に住んでいる3人のMMS、イヌ型のヴェル、 ネコ型のジャロ、悪魔型のノワルが、先日買ったMMSハウスで遊んでいる。 無邪気なものだ。 (愛玩用………………どんななんだろう……………) ぺちゃ… ぺちゃ… ??「はぁ…はぁ…」 総ピンク色の部屋の中、何故か俺は全裸でベッドに座っている。 ノワル「ん…んむ…くちゅ…」 ヴェル「はぁ…んくっ…ま…マスター…気持ちいいですか…?」 ジャロ「んぅ…マスターの…すっごく熱いのだ…はぅ…」 3人は俺の一物にすがりながら、愛おしそうに舐め続ける。 俺「どうした…そんなじゃ俺は満足させられないぞ…?」 ヴェル「はぃ…では…これでいかかでしょう…みんな…?」 ヴェルがそう言うと、各々裏スジ、亀頭、竿を同時に舐め始める。 普通では体験できない「3点責め」である。 時々その小さな口で甘噛みまでしてくるのだからたまらない。 俺「よし…イイぞ…お前等のアソコはどうなってる…」 ヴェル「ひゃぁぅっ!!だ…ダメです…そこは…感じちゃ…やぁっ…!!」 ジャロ「はうぅ…熱いよ…アソコが熱いよぉ…!!」 俺「よし…4人同時にイクぞ…ぐぅぅぅっ!!!」 俺は己の剛直から、ありったけの精を吐き出す。 3人「「「はぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ…………ぁ」」」 火山の様に吹き出る白濁液にまみれ、恍惚の表情で倒れる3人。 俺「はぁ…はぁ…よく出来たぞ3人とも…。次は本番だ…!!!」 3人「「「はぃ……マスタぁ………」」」 って!!! 俺「うっがぁぁぁぁああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!」 3人「「「!!!???」」」 その場で頭を抱えながらのたうち転がる俺。 ヴェル「ど…どーしたんですかマスター!?」 そう言って駆け寄るヴェル。 俺「来るな!来ないでくれぇぇぇぇぇ!!」 脳内を縦横無尽に駆けめぐる妄想と戦いながら精子…いや制止する俺。 ジャロ「どうしたのだ?マスターヘンなのだ!!」 ノワル「ねぇマスター、本当に大丈ぶ…」 俺「だいじょ――――――――――ぶだから!! ぁ全然だいじょ――――ぶだから!!今は近づかないでくれ!頼む!!」 いかん…非常にいかん…彼女たちの心配する声だけでもおかしくなって しまいそうだ…!!ならば!! 俺「じゃ…ジャロぉぉぉぉぉ!!!」 ジャロ「…は、はいなのだ!!」 俺「両手に『ファンピー』を装備!!…それで俺を…思いっきりぶん殴れ!!」 ジャロ「そ…そんなことできないの…」 俺「い い か ら な ぐ れ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !!」 ジャロ「わ…わかったのだ―――――――――――――!!!」 ご が わ し っ ! 俺「のごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉを!!」 壁まで吹っ飛ぶ俺。 ヴェル「ま…マスター!!」 ノワル「ちょ…大丈夫マスター!!生きてる?生きてる!?」 ジャロ「びぇ~ん!!マスターなぐっちゃったよぉ~!!」 心配する2人、大泣きするジャロ。 俺「ジャロ…GJ…。」 薄れゆく意識の中、親指を立て、爽やかな笑顔で、俺はしばしの眠りについた…。 めでたしめでたし。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/356.html
前へ 先頭ページ 次へ 第九話 拉致 レヴ・アタッチメント、ビックバイパーを纏った飛行形態のルシフェルは、アフターバーナー全開で専用緊急出撃ダクトを飛び抜け、屋敷の前庭中心にある噴水から躍り出た。 陽動、兼、殲滅役を仰せつかったルシフェルの出撃はトンネルドンにより腹に響くような轟音を起こしたから、その存在は屋敷に対して破壊活動を働いていた一つ目ども、メタトロン・プロジェクトの試験量産素体である、ラプターと呼ばれるそれらの一躍知るところとなった。無数の赤く灯るアイボールが、ぎょろぎょろと彼女を注視する。 ファースト・トップランカー神姫である彼女でさえ、通常装備では一つ目どもと戦うどころか有効な一撃を与えることさえできなかったか知れない。 今はこの俊敏な鎧がある。レヴ、つまり活性化、回転増加、の意を持つこのアタッチメントセットの名は伊達ではない。特に既存技術の粋を集めて造られた自らのビックバイパーは、OFアタッチメントに匹敵する性能をたたき出す。 隼のように飛び回る異形の戦闘機の出現に、一つ目どものコンピュータが混乱しているのがルシフェルには分かる。なにしろ奴らにとっては普通の武装神姫がありえない高速で飛び回っているのだ。戦闘能力には感情回路が不可欠であることはルシフェルも知っている。ラプターにも簡易的であるにしろ感情回路は搭載されているはずで、この混乱によってそれが明らかになった。 勝てる。ルシフェルはあらためて確信した。強固な確信である。 ギュビィー! 二股に分かれた彼女の機首、つまり内股に当たる部分から、高電圧音とともに二条の青白い収束レーザービームが照射された。秒速三十万キロの光条は回避を許さない。 照射しながらルシフェルは急激なロールを行い、機首の向く先にある五体のラプターを撫で見る。つまりレーザーの射線がラプターを横切ったのであって、その五体の一つ目どもは瞬時に真っ二つに溶断された。切り口を赤熱させながら墜落。 仲間を撃破された光景を分析したのか周囲の一つ目どもがルシフェルの機首を避ける機動を見せた。 そのような動きは予測済みである。 パシュシュシュッ 主翼の放出口より小型の誘導弾頭を射出。機体よりもはるかに高速で推進するミサイル群は正確にいくつかのラプターに飛来。撃破する。 弱い。ルシフェルは無感動に感想を抱いた。 こんなのがメタトロン――神の代理人――とは笑わせる。自分はおろか、ましてやミカエルごときよりも上位の天使の名を持つとはおこがましいにもほどがある。自分が名乗るべきとは思わないが、少なくともこいつらが名乗ってよいはずはない。 周囲を見やる。OFイクイップメント・アージェイドを着たアーンヴァル「ミカエル」、ビックバイパーよりも下位の量産試験型レヴ・アタッチメント・ファントマ2を二セットも搭載したサイフォス「ジャンヌ」でさえ、苦戦している様子は見られない。 まったく直感的に、こいつら、ラプターどもはメタトロンなんかじゃない、とルシフェルは感じた。一つ目どもはメタトロンの中核などではないのだ。おそらくOFイクイップメントをどのように武装神姫になじませるかという実験の上で作られた、ただのボディにすぎない。 何がメタトロンかとすればここにおいてはアージェイドなのだろうが、それを着たミカエルが自分に勝てたためしは、数え切れないバーチャルバトルと幾度のリアルバトルを経たテストにおいて、数パーセントしかない。その数パーセントはランダムな要素で、ランダムな中でも挽回できる状況がほとんどであった。 実戦経験の長短を差し引いた純粋な性能アドバンテージから見ても、このビックバイパーにアージェイド・イクイップメントは対抗しきれていないのだ。あくまであれはOFアタッチメントの開発段階で派生した余剰物らしく、試供品として送られてきたのもうなづける。 では本当のメタトロンは何か。 とすれば、あのクエンティンとかいうどこの馬の骨とも知れぬセカンド風情と融合している、ジェフティでしかない。 それ以外のメタトロンは偽物だ。 だと言ってルシフェルは、クエンティンをメタトロンとは認めたくはなかった。メタトロンはあくまでジェフティ、エイダ自身であり、クエンティンはエイダの性能を完全に引き出す触媒にすぎない。触媒は武装神姫であればなんだっていいのだ。 自分であっても問題はないのである。 危険な考えだ。おそらくマスターは、鶴畑興紀はそんなことは許さないだろう。無断でクエンティンから引っぺがそうとすれば、いまの自分は廃棄される。戦闘実績や有効な装備など、あらゆるアイデンティティをもぎ取られて。その後何十体目、もしかしたら何百体目かもしれないルシフェルが、自分に取って代わるのだ。 ルシフェルのプライドが刺激されていた。そのプライドも、アイデンティティも、過去数え切れないルシフェルから引っぺがしてきた借り物にすぎなかった。装備の一つたりとも、記憶の一片でさえ他に譲渡するのは我慢がならなかったが、それらに絶対的な自己は収められなかった。 重い。過去のルシフェルの遺物を全身にくっつけられている重みだ。この重みがもどかしかった。 きっとクエンティンからエイダを引き剥がして自分に融合させたところで、ただ重みが増すに違いない。二人ぶんの重みは背負いきれない。背負うのは自分自身のだけで十分だ。 私はルシフェルであり、その名を誇りに思うのだ。いつか廃棄されるその日まで。 廃棄されること自体に恐れはない。棄てられるならば、この自分の重みをそっくり次のルシフェルにくれてやる。 むしろ気がらくだ。だからと言って今すぐに廃棄されたいという意味では決してない。いま自分は生きている。生きているならば必死になって生きるのが生きている者の義務というものだ。 生きている、か。 こんなことをマスター、鶴畑興紀に言えば、やはりその瞬間廃棄されてしまうのだろうなと、ルシフェルは思った。彼は武装神姫を生き物とはみなしていない。生き物ではない物が、「自分は生きている」などと言い出したら、バグっている、壊れているということだ。 壊れている道具など要らん。いくつか前のルシフェルがこう言い渡されて捨てられた。うっかり口を滑らしたからだ。余計なことは言わずに従うほうが面倒にならないことを今のルシフェルは知っている。捨てられる理由としてどうにもならないことだってあるが、そうした原因以外、予防できる原因はしっかり予防しておくのが一番だ。 ルシフェルはうっかりで死にたくなどないし、野良神姫にもなりたくなかった。野良神姫は駆除される。拾われることもあるが、よっぽどの強運の持ち主でなければまず無い。そんなことになるくらいだったら今の環境下が一番だ。 彼女は面倒が嫌いだった。だから自分は生きているなどと主張せず、ただ黙々と従うのである。「イエス、マスター」と連呼して。 「モードチェンジ――」 『mode change』 ルシフェルがつぶやくと同時に、ビックバイパーに内蔵された支援AIが復唱する。音声入力というわけではないが、定められたプロセスを確実に実行するためルシフェルはいちいち声に出して言うことを心がけている。 ボディ各所のロックが次々に解かれ、手足が自由になる。バックユニットが頭上を介して背中に回り、フロントアーマーがヘルメットをカバーする位置から離れて胸のところへ収まる。 くるりとスプリットSの要領で反転すると、ルシフェルはもう人型形態になっていた。 一つ目ども、ラプターが群がってくる。 「遅いわ」 垂直尾翼を兼ねていた彼女の両腕の先に金色の粒子が集まる。 最後のラプターの首をちぎり取る。 「状況終了」 興紀に報告する。 浮遊しながら、ルシフェルは屋敷を見つめる。各所が崩れ落ち、煙を上げているところもあった。建て直さねばならないだろう。老朽化していたからちょうど良いとマスターは言うだろうか。 興紀からの返答がない。いつもならすぐに「よくやった」なり「戻れ」なり言ってくるはずなのに。 眼下の二体もおろおろしている。 「マスター……?」 通信装置の感度を上げようとしたその時。 ギュバッ! 異音。 傍らに最大限の脅威。 反射的に離れようとブーストしようとする。 が、ぐぐっ、と伸びてきた二本指の腕が彼女の頭部を瞬く間に捕らえると、ルシフェルの頭はこの世のものとは思えない激痛に襲われた。 「ぐ、ああううっ!?」 頭を握りつぶされてしまいそうなほどだった。だが武装神姫は本来握りつぶされる段階で頭痛など感じないはずだ。この二本指からワームのようにただ容量を増やすだけの無駄なデータが自分の陽電子頭脳に流入し、処理を圧迫しているのだ。 二本指の主。ジェフティ――エイダに似た、狼のようなヘッドギアをかぶった神姫が目の前にいた。 こいつが、アヌビス――デルフィか。 ルシフェルはこの上ない畏怖を覚えた。あのジェフティとは比べ物にならない威圧感。 こうして対峙するだけでその性能差が絶望的であることは、百戦錬磨のルシフェルには皮肉にも手に取るように分かってしまった。 頭を拘束されただけで、勝てないと分かる相手。 ただのイクイップメントが、どうしてここまで強いのか。 アヌビスをまとっている神姫は、顔こそ見えなかったが、その雰囲気は既存の武装神姫のどれでもなかった。 ルシフェルはすぐに知った。こいつはイクイップメントなんかじゃない。 この神姫そのものがアヌビスなのだ。 相手は冥界の神の名を持っていた。神には勝てない。 「おまえが、メ、タ、ト、ロ、ン……か」 ルシフェルは今確実に、目の前の神姫がメタトロンを名乗るに相応しいことを認めた。メタトロンという名は時には、神と同義になる。 流入する負荷が限界を超え、ルシフェルの意識は強制的にシャットダウンされた。 ◆ ◆ ◆ 完全武装の兵士達に、理音たちは包囲されていた。 屋敷へ通ずるエレベータが開き、中から悠然と歩いてくる男が一人。 「ノウマンだな」 何の感動もないように、興紀は言った。 理音はその男をよく見た。 服装はどこにでもあるようなフォーマルスーツを着ていた。が、その男の大きな特長はその目にあった。 虫を見ているような目だと、理音は思った。 口をニィ、と引きつらせて、ノウマンは笑った。 「その神姫を渡してもらおう」 クエンティンを指差して、言った。 流暢な日本語だった。 こんなにも冷たさを感じる声は聞いたことがなかった。 クエンティンは激昂して飛び掛りそうだったが、理音が制した。クエンティンはその場に浮遊したまま動かなかった。 「私のクエンティンをどうするつもり?」 銃を突きつけられたまま、理音は訊いた。 「彼女、クエンティンはすばらしい個体だ」 ノウマンは言った。 「我々は武装神姫に人権を与えるために活動している」 意外な答えであった。理音はもちろんのこと、鶴畑興紀も驚きの色を隠せなかった。 「貴様らは、メタトロンプロジェクトを他社に売るために活動しているのではなかったのか」 興紀の問いに、ノウマンはにやりと笑みを浮かべることしかしなかった。 理音はノウマンに対して、意外な人間を目の当たりにしているような実感だった。 この男の言うことが本当ならば、この男は、武装神姫をれっきとした知性体として認識していた。自分と同じく。 ノウマンはクエンティンを「彼女」と呼んだ。 「こんな過激なやり方で、神姫に人権が認められるとでも思っているの?」 「過激でなければならないのだ」 ノウマンはクエンティンの方に近づきながら言った。 「このまま悠長に法律改正を待っていたら、いつまで経っても神姫には人権は認められない。神姫は商品として作られたのだ。この根本を是正しなければ、神姫の未来は無い」 理音は黙って聞いていた。 「これ以上妨害活動をされても困る。君たちにも来てもらおう」 「お姉さまたちは関係ない!」 クエンティンが叫び、飛んだ。目指す先はノウマン。 兵士達の動きがこわばった。 が、クエンティンはノウマンの目の前で止まった。 ノウマンは眉一つ動かさなかった。 「アタシだけが必要なんでしょう。お姉さまたちはこのままでも――」 言い終わる前に、クエンティンは強烈な電撃を受けていた。 「クエンティン!」 理音が兵士の拘束のなかでもがいた。クエンティンは理音の目の前で意識を失い、堅牢そうなアタッシュケースの中に入れられた。 「連行しろ」 理音と鶴畑兄弟は、まるで犯罪者のように手錠をかけられ、連れて行かれた。 エレベータに乗せられる直前、理音はふと気づいて辺りを見回した。 いつの間にか、執事の姿は消えていた。襲撃されたときには、もういなかった。 ドームは無表情な脳無し神姫たちが、何事もなかったかのように飛び回っている。 ◆ ◆ ◆ 強制リブートをかけられて、ルシフェルは覚醒した。 冷たい雪が背中の触覚センサーに感ぜられた。 自分を見下ろす一人の人間にルシフェルは気がつく。 執事が立っていた。 「ルシフェル。非常コード009発令のため、マスター権限をわたくしに緊急委譲」 「イエス、マスター」 それで、自分が停止しているあいだ何が起こったのか、大体の見当はついた。 後悔している暇など無い。 ルシフェルはむっくりと起き上がった。 つづく 前へ 先頭ページ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/60.html
さて、ここは都内某高級住宅地の一角にある鶴畑家の豪邸。 鶴畑コンツェルンと言えば、各種産業で名を馳せる、国内有数の大財閥だったりする。 また、日本国内のみならず、世界的な人気を博す「武装神姫」の販売、開発支援もおこなっており、 俗に「鶴畑三兄妹」と呼ばれる会長、鶴畑千代(せんだい)の子供、長兄興紀、次男大紀は、武装神姫バトルの ランカーであり、末娘の長女和美も来年から正式にデビューする予定となっている。 PM7:00、200畳はあろうかという和室での夕食、居るのは三兄妹のみ。会長である父と母は、要人との会食のため 不在である。 いつもであれば、バトルの結果の自慢をしあうのだが…、今日は至って静かである。 それのそのはず、昨今、次男大紀、長女和美が一般人相手に敗北を喫し、和美は草バトルにおいて二丁拳銃使いに、大紀に至っては 俗にリアルリーグと呼ばれるファーストリーグに於いて初の敗北、下位のセカンド、サードリーグに於いても各一敗、うち一試合は僅か 2秒で敗北したのだ。 「全く…何という体たらくだ。」 最初に口を開いたのは、痩身且つ長身の美男子、長男大紀であった。 「リアルリーグでの敗北はもとより、下っ端風情のセカンドとサードで2敗、うち1敗はデビューしたての新人に秒殺とは…。」 「兄様!あれは事故です!よもやあれほどの実力を持った輩が下位リーグに存在するとは思いも…」 反論するピザ…もとい、恰幅の良い少年、次男大紀。 「五月蠅しい…!本来ならばリアルリーグ上位到達までは一切の敗北は許されないはず…貴様は栄光ある鶴畑の名に泥を塗ったのだぞ… 恥を知れ…!!」 「おほほほほほほ!情けないですわね、大紀お兄さま!」 次男を笑う女ピザ、末娘和美、と、 「貴様もだ和美…!発売一ヶ月前より武装強化・トレーニングを行わせて、発売直後のデビューを予定していたサイフォスを勝手に 持ち出し、挙げ句の果て、たった2丁の銃しか装備していないバッフェバニーに敗北するなど言語道断だ…!!」 「ご…御免なさいお兄さま………お…お許しを……」 涙目で謝罪をする和美。 「…まぁいい、元々貴様等には期待をしていない。そもそも貴様等は、武装神姫バトルでは『鶴畑3兄妹』と言う名前のために存在するだけの 人間、いわゆる看板のような存在でしかないのだからな。 だが…俺は違う。俺は実力でリアルリーグ上位に立っている、大紀、貴様のように金を積んで八百長試合を組んでもらっている貴様と違ってな。」 「くっ…!」 「無論、上位に立つための努力は惜しまん…犠牲もな。こいつは俺があらゆるデータを元に作り上げている、いわば磨き上げたダイヤのような 存在だ…こいつはこれからも輝き続ける、たとえ削り落とされるダイヤの粉…数百、数千体の同型MMSの犠牲があっても…だ。 そうだな、ルシフェル。」 そう言うと、興紀は肩に座るMMSを優しくなでる。 「おっしゃるとおりです、マスター。」 答えるストラーフタイプのMMS、ルシフェル。 「貴様等も強くなりたければ、負けた相手のMMSの名を忘れるな。そして再び相まみえることがあれば…必ず"殺せ"。」 氷のような冷たい瞳で二人を見る興紀。 「は…はい…!」 2人はそう答えた…いや、そう答えるしかなかったのだ。 すると、興紀は突如として穏やかな笑顔…リアルリーグで見せる好青年の顔に戻った。 「いい返事です、さ、食事を続けましょう、せっかくの美味しい食事が冷めてしまいます。」 「はい…。」 こうして、再び兄妹の夕餉は始まった。 次に十兵衛とマイティ、そしてコニー達が復讐心を燃やす彼らと相まみえるのはいつの日か…!!
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2052.html
深み填りと這上姫 初めまして。この小説を書く夜虹(やこう)と名乗る者です。以後よろしくお願いいたします。 この小説は『俺』という男が捨てられた神姫を一人前に育て上げる小説……だと思います。 話は全体的に時系列順に展開されていきますが、一章で完結する方式であり、 章単体で読み切れるようになっております。 コラボも歓迎です。こちらの物語に影響の無い程度であれば設定やキャラをお使いくださいませ。 登場キャラクター紹介 用語解説 作品集 第一章 深み填りと這上姫 あらすじ: 大学のレポートに追われる毎日を送る俺がトイレに行って戻ってくると目の前に蒼髪の人形がいた。 それは武器と鎧を装い、人という神のために戦う姫という謳い文句の人形 武装神姫であり、 乱暴なオーナーに捨てられたといって駆け込んできたらしい。 さて、どうしたものやら…… 第二章 深み填りと脱走姫 あらすじ: 神姫センターで知り合った友人 真那から賞金百万がかかった脱走神姫イーダの捕獲を持ちかけられ、 それの手伝いをする羽目に。しかし調べていく内に…… 第三章 深み填りと盲導姫 あらすじ: 夏のある日、俺達は神姫センターでサマーフェスタを楽しんでいた。 そんな時、ある人物と出会い、神姫の一つの可能性を垣間見る事に…… 外伝 少年と疾走姫 あらすじ: イリーガルマインド騒動から一ヶ月後、俺の家にとある少年がやってきた。 彼が連れていたのは……角の折れたアークプロトタイプ――百日だった。 その時、彼女から語られる二人の答えを俺は聞くことになる。 第四章:深み填りの徒旅記 あらすじ: ホビーショップエルゴ店長の日暮に頼まれ、イリーガルマインドを回収することになった俺は日暮の冗談で言った『異邦人(エトランゼ)』に倣い、その目的のために様々な場所へ行くことにした。 異なるセンターで異なる人や神姫と出会うことになるだろうが、それは俺たちになにをもたらすのやら…… バトルロンドにおける設定をMighty Magicより一部お借りしています。 第一部:店の中のせつな 第一話:模倣姫 第二話:擦違姫 第三話:篭城姫 第四話:総力姫 第五話:物語姫 (この話では武装食堂のネタバレが一部含まれます) (この話では武装食堂、せつなの武装神姫、武装神姫のリン、ウサギのナミダ、The Armed Princess―武装神姫―、鋼の心 ~Eisen Herz~、15cm程度の死闘より一部の設定、キャラクターをお借りしております) 第二部:15周程度の疾走 第一話:仮装姫 (この話ではキズナのキセキ、15cm程度の死闘より一部の設定、キャラクターをお借りしており、キズナのキセキのネタバレが一部含まれます) 第二話:面割姫 (この話ではキズナのキセキ、15cm程度の死闘、デュアル・マインドより一部の設定、キャラクターをお借りしており、15cm程度の死闘のネタバレが一部含まれます) 第三話:飛戦姫 (この話では15cm程度の死闘、デュアル・マインドより一部の設定、キャラクターをお借りしております) 第四話:宙走姫 (この話では15cm程度の死闘、デュアル・マインドより一部の設定、キャラクターをお借りしております) 第五話:隠道姫 (この話ではキズナのキセキ、15cm程度の死闘、デュアル・マインドより一部の設定、キャラクターをお借りしており、キズナのキセキのネタバレが一部含まれます) 総合カウント数35000を突破いたしました。 僕の小説を読んでくださっている読者の皆さん、どうもありがとうございます 本日 - 昨日 - 総合 - 感想がございましたらここへお願いいたします。 コメントログ -コメントログ2、-コメントログ3 譲れないこだわりがありまして、コタマ(狐)は鉄子のことを「鉄子ちゃん」と呼びます。 次に「鉄子」と呼んだ時はミコちゃんよ、大学の掲示板に例の写真張りまくるかんね! それはそれとして、いやはや、本当に同じ大学だったとは。 しかも精密機械いじりがプラスになる→機械の制御を勉強している鉄子達と学科が近いor同じだと推理します。 鉄子からコンタクトを取ったということは・・・ううむ、続きが待ち遠しいです。 -- にゃー (2012-05-31 01 09 38) にゃーさん> おお; これは失礼しました。取り急ぎ、修正をさせていただきました。 これで後は気を付ければ掲示板貼りは回避だね。ミコちゃん。 え? お前の研究不足が原因だろうって? それに関しては申し訳ございません……。 はい。同じ大学であるからこそのこの話となりました。そうである事で正体バレに関して、彼女が最も近い場所にいる事になると考えていたものでして。 学科はそう言う事になりますね。詳しく決めてはいないですが、だいたい同じかもしれません。 コンタクトの理由は次の話で展開されると思いますので、次回までお待ちいただければと思います。 -- 夜虹 (2012-05-31 17 50 06) 初めまして、読ませて頂いています白田黒乃です。 自分も先の名無しさんと同じ、尊に対して反感を抱いていましたが、段々と好きになってきました。 尊、性格イケメン過ぎだろ…正に武装神姫界のコブラ。 そして尊と鉄子が同じ大学…だと…(コラボが楽になるぜ。ラッキー!) -- 白田黒乃 (2012-06-01 17 09 42) 普通激しいバトルパートを書くと間に日常を挟みずらくなるのに お見事です。 これからもお体にお気をつけて下さい。 -- 焦げかぼちゃ (2012-06-02 23 00 47) 白田黒乃さん> こちらこそ初めまして。作者の夜虹です。 最初は典型的なオタ嫌いなので武装神姫をやっている人からするとちょっと近寄りがたい印象はありますよね。 でも、それが神姫を理解していく上で面白いかなと思ってやってみました。 後は深みに填まってくれれば、この性格であるといった感じです。 イケメンと言っていただけて何よりです。確かに軽口を叩いたり、意志がブレない所はヒューと言いたくなる奴ですね。 そしてコラボが楽に? いったい何が始まるのでしょうか……。楽しみにしています。 焦げかぼちゃさん> 恐縮です。この辺りは短編集の強みですね。切って次の話にすると話の状況をリセットできますので。 ええ。これからは本格的に暑くなってくるでしょうから、水分補給を欠かさずに頑張っていきたいと思います。 -- 夜虹 (2012-06-07 07 34 53) 待っていた・・・待っていたぞ夜虹殿!! ・・・すんません、テンションが暴発しました。 アニメ化でトランザムしてたら這い上がり姫の更新。 テンションが上がりまくりで色々とやヴぁい。 -- 燃え盛る焦げかぼちゃ (2012-09-18 20 55 06) 焦げかぼちゃさん> 三か月もお待たせして申し訳ありませんでした。 同人のサウンドノベルやらお仕事やらで結構、手間取ってしまいました。 それでもお待ちいただけてありがたい限りです。 それに応えられる様に続きをしっかり描いていこうと思います。 話に関しましてはこれからアクセルロンドという自分で作ったルールで戦っていくことになります。 (ちなみに元ネタは遊戯王5D sのライディングデュエルだったりします) それでどんな展開になるのか想像していただければ幸いです。 -- 夜虹 (2012-09-22 18 21 02) メルが勝った? ふむぅこれは予想を外してしまいました。 貞方もたまには役に立つものよのう。 しかしこれで、――フフッ、どうやらミコちゃんの学生生活はジ・エンドを迎えるようですなぁ。 なぜかと問われるまでもないでしょう。 最後に控える我がタマちゃんが負けるはずがない! せめて第2ラウンドで負けてくれるなよ双姫主ミコちゃん。 尋常外の傀儡師『ドールマスター』の真の恐怖を存分に堪能してもらおうぞ! フフフッ・・・。 フッフハハハッ・・・。 ハァーッハハハハハハハハァ!!!! -- 調子にのるにゃー (2012-10-12 02 05 04) 最新話読ませていただきましたー バトルロンドでのスキルがバンバン出てきて懐かしくなる…… >>二重人格だったり ……えっ? え、あの、はい 早く続き書きます はい -- 璽儡 (2012-10-17 20 52 06) にゃーさん> 勝ったのに作者からこの扱い。貞方ェ……(何 それは置いておきましてミコちゃんが追い詰められましたね。彼に後はありません。 そんな中、ミコちゃんと蒼貴は果たして難易度ルナティックなコタマを倒す事ができるのか……。 その前に第二ラウンドですね。壁となるのは姉妹機のアルトレーネの重装型とアステロイドという状況。 生半可な戦術ではイーダ一式の紫貴が覆すのは難しい。ミコちゃんはどう対抗するのやら……です。 璽儡さん> スキルは神姫の象徴の一つですからね。出来る限り使っていきたいと考えております。 ややや、何だか急かしてしまったような結果になって申し訳ないです。 イーダつながりと主人公ネタという事で二重人格を引き合いに出してみたのです。 次はリーヴェの戦いとなりますが、上手く彼女の性格、戦い方を引き出せるように頑張りたいと思います。 璽儡さんの作品も楽しみにしておりますのでお互い頑張りましょう -- 夜虹 (2012-10-19 00 06 07) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/136.html
【氷雪 恋】 引きこもりの小学生。両親は共働きで朝早くから夜遅くまで出かけており、友達もいない。 その孤独を埋めるために武装神姫に興味をもち、違法神姫サマエルを謎の青年から与えられる。サマエルによって半ば支配されるが、明日香によってサマエルを破壊される。 後にレンタルシンキスペースKAMIYAにてハウリン型MMS「ハテイ」と出会うことになる。 性格はおとなしくて引っ込み思案。口数も少なく、学校では常に目立たない。 ハティや静真、香織たちとの出会いを経て少しずつ変わって行くことになる。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2106.html
ウサギのナミダ 登場人物紹介 遠野貴樹(とおの・たかき) 20歳 大学生 本編の主人公。ティアのオーナー。 コンピューターに詳しく、理系的思考の持ち主。 いつも無愛想で、感情をあまり表に出さない。だが、責任感や正義感は人一倍持ち合わせている。 趣味はコンピュータと模型製作。 以前から武装神姫をやりたいと思っていたが、心に響くような製品は出ていなかった。 ティアと出会い、彼女のオーナーとなることで、武装神姫を始める。 持ち前の分析力と戦術で、頭脳的なバトルをするのが得意。 ティア 貴樹の神姫。もう一人の主人公。 ランドスピナー装備のレッグパーツを使いこなし、変幻自在の地上滑走能力を誇る。 地上戦でのスピードと自在な戦いぶりから、「ハイスピードバニー」と呼ばれる。(マスターの貴樹は納得していない) 素体の姿はバニーガール風。頭にはうさミミがついている。 容姿は可愛らしく、少し幼い印象。時々憂いを帯びた表情が大人びて見える。 性格はおとなしく、素直で、ちょっと引っ込み思案。 バトルでは一生懸命に戦う。 彼女のヘッドは、武装神姫のマスプロダクトモデルにはない。 実は違法にカスタマイズされた神姫である。 もともと、ティアは神姫風俗店の神姫として客を取っていた。 ボディも衣装改造されたもので、過酷な労働を強いられていた。 ある日、彼女の客の一人が、彼女を強奪しようとして店から持ち出す。 しかし、店の従業員から逃げられず、途中でティアを捨ててしまう。 その直後、通りかかった貴樹に助けられ、彼の神姫となる。 大城大介(おおしろ・だいすけ) 22歳 フリーター 虎実のマスター。貴樹の友人(自称)。 大柄で、いつも派手な格好をしている、一見ヤンキー風の青年。 しかし、見かけに寄らず人がよく、面倒見もいい。 女好きなのが玉に瑕。 大型のバイクを乗り回しているが、いつも安全運転を心がけている。 「高校でやんちゃはやめた」というのが本人の弁。 虎実とは、マスターと神姫というより、兄妹とか喧嘩友達とでもいうような仲。 趣味はバイクで、虎実にもバイク型のメカに乗せて、自分のテクニックを教え込んでいる。 虎実(とらみ) 大城の神姫。 ノーマルのティグリース・タイプ。 性格はおおざっぱで、小さいことを気にしない性格。 短気で、すぐ頭に血が上る。 素直になれない一面があり、そこをいつもマスターである大城にからかわれている。 そんな虎実だが、バトルロンドではとても真剣。 「いつか誰も真似出来ないような戦い方をする神姫になりたい」と夢見ている。 武装はファスト・オーガを組み替えた、高速型エアバイク。 自分で背負ったりすることはせず、基本的に武装はエアバイクに搭載し、それを駆使して戦う。 久住菜々子(くずみ・ななこ) 19歳 大学生 イーダタイプ・ミスティのマスター。 容姿端麗で、社交的で明るい性格。笑顔が魅力的で、誰からも好かれるタイプ。 ショートカットで活発な印象。服装もパンツルックなどを好み、活発に見える。 武装神姫歴は長く、すでに五年。現在のミスティの前には、ストラーフ・タイプで同名の神姫を所有していた。 「異邦人(エトランゼ)」の二つ名で呼ばれる、有名な神姫マスター。 その由来は、あちこちのゲームセンターや神姫センター、ホビーショップに出没し、強敵に挑むことから。 しかも強いので、畏怖を込めてこう呼ばれている。 見かけに寄らず、頭脳プレイはあまり得意ではなく、バトルではパワーファイトを好む。 ミスティ 菜々子の神姫。 マニューバトライク型のイーダ・タイプのカスタム機。 脚にストラーフの大型レッグパーツ「サバーカ」を装備し、カスタムされている。 高速で地上を走行しながら、副椀を振り回して相手を倒すパワータイプ。 レッグパーツの瞬発力を生かした戦い方で、通常のイーダタイプとは違う独特の戦闘を行う。 実は、ミスティは昔、ストラーフだった。ある試合で破壊され元の素体では復活できなくなってしまった。 菜々子は、ミスティのコアをイーダ・タイプに移し替え、復活させた。 ストラーフだった頃の記憶はほとんど残っていないが、そのころの戦闘記録を活用し、現在のような戦闘スタイルになった。 実力は、地方のゲームセンターなら、トップクラスの実力者にも勝ち越せるほど。 海藤仁(かいとう・じん) 20歳 大学生、水族館勤務 T県の湾岸にある大きな水族館に勤務するアルバイトのエンジニア。 本業は大学生だが、ほとんど休学状態。 アクアのオーナー。 物腰柔らかな性格で、世話焼き。 仲間内では一番早くに神姫を始めているが、バトルをほとんどしない。 もっぱら、水族館内の彼の仕事を補佐する助手として使っている。 神姫については並々ならぬ知識を持っており、自分ではやらないバトルロンドについても精通している。 貴樹とは高校時代の同級生。 アクア 海藤の神姫。 もとはマーメイド型神姫 イーアネイラ・タイプの製品版。 性格は、物腰柔らかなお姉さん風。 オーナーとの仲はすこぶる良好で、お互いの信頼は他人が見ていてもよくわかるほど。 その姿を見て、海藤の仲間達は神姫を始めたいと思うらしい。 高村優斗(たかむら・ゆうと) 21歳 大学生 「アーンヴァル・クイーン」雪華のマスター。 人当たりがよく、友達も多いが、どこかのチーム所属しない一匹狼の神姫マスター。 秋葉原をホームグラウンドにしている。 バトルロンド セカンドリーグの全国大会では、並みいる強豪を押し退けて、秋葉原大会で優勝し、東東京地区代表となった。 雪華(せつか) 高村の神姫。 アーンヴァル・タイプのカスタム機。 改造はされているが、公式大会のレギュレーションの範囲内。公式大会には積極的に参加している。 次の全国大会では優勝候補と目される。 地方大会では、神姫のメッカ・秋葉原で行われる激戦の東東京大会を勝ち抜き、優勝した。 性格は誇り高く、ストイックで、威厳を持った女王様タイプ。 その強さもあいまって、「女王」「クイーン」という二つ名で呼ばれる。 装備はアーンヴァル・トランシェ2を基本として、腰にブースターを追加。その他、細かい装備が変更されている。 武器は黄金の錫杖がひとつだけ。 ただし、この錫杖は様々なパーツの集合体であり、組み合わせることでいろいろな武装に変化する。 戦闘の状況によって様々に武装を切り替え、柔軟に対応する。